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【No.186】 2007.12.07 / 01:23 | 創作物

■ 作品消化祭:初日

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#すんません寝てました('A`)

◆<彼>と<彼女>の物語(1/3)
ジャンル…MapleStory/無印
形式…文章(小説に非ず)
補足…めいぽ文化祭の副産物。ネタバレ含。

 ――紅葉の契約を結ぶ迄


続き

唯、偶然それを受け取っただけ。
唯、偶然素質を持っていただけ。


弱ってしまった紅葉には
癒すモノが必要だった。

「こんな素質なんて要らなかったのに」
「紅葉の精になんてなりたくなかったのに」

それを必死に受け入れようとする彼。
それを頑なに拒もうとする彼女。

昔の英雄は妖精族だったから
だから妖精達は協力した。
今の英雄は人間族だから
だから妖精達はそっぽをむいた。


弱った紅葉はどんどん萎れ
世界は負へと傾いてゆく。


説得を続ける彼と、拒み続ける彼女。
彼らを覆うように落ちてきたのは
酷く狂ったバルログの影だった。

「オルビスをバルログが襲うなんて」

逃げまとう冒険者の中で、唯一人
彼だけは刄を向け続けた。

その背に背負うのは
ありふれた偽善などではなく
破壊されることへの恐怖と
受け取った使命であった。

けれど、ソードマンの彼では
バルログには到底適わなくて。
それでも振られ続けた紫の剣は
やがて幾多の破片を散らして、折れた。

血塗れの彼に止めがさされようとした刹那
彼女は飛び出した。
彼を抱き抱え、防衛膜を張る。
一撃は退けたが、防衛膜にはヒビが入った。

傍らで倒れる彼の手に
突如、純白の剣が現われた。

彼は立ち上がり、再び刄をそれに向ける。
その体は傷だらけで
彼は気力だけで刄を突き刺した。


バルログが立ち去った後
彼と彼女は<古の契約>のもと
紅葉玉へと赴いた。


彼女と妖精達が
彼と対等に接し始めたのは
それからの話。

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