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#本来なら半日以上前にうpしなきゃ駄目なものですが……orz
#非常に三等分し辛い状態となっている為本日分は短めです……。
#ていうかまだ打ち終わってn(ry
◆「他称」と「自称」(1/3)
ジャンル…MapleStory/無印
形式…小説
カニバでの新キャラの話。
ほぼ完全に実在キャラそのままなんてそんなそんな
ただ無言で、彼は試合開始の合図を待った。
ページの彼、クレリックの女性、スピアマンの少年――所詮寄せ集めのパーティ。彼らの間には意思疎通などあったものではない。いや、彼は少しでも疎通しようと世間話をしようとはしたのだが、彼らから帰ってきたのは、気の無い声だけであった。
仕方がない。彼とその二人には、「それ」に求める物という点で徹底的な違いがあるのだから。
「ねぇ、君」
外見だけで見れば彼と同じ程度の歳頃に見える、スピアマンの少年が彼に声をかけた。
「その格好、ふざけてるの?」
彼は改めて自らの格好を見た。白いシャツ、青いショートパンツ、白い頭巾に古いサンダル。まともな装備と言えば、その手に持つナックルメイスとメイプルシールド、そして黒いマントのみである。
確かに、これは「ゲーム」だ。ただし、人工モンスターとの乱闘をも含めた、賞金のかかったチームバトル。
「いや、これがデフォルトの装備っすよ?」
笑み、というよりも苦笑を浮かべて彼は答えた。
「冗談も程々にしてくれよ」
少年は冷たく言い放った。
やれやれ、と彼は肩をすくめる。そして、彼の脳裏に意地の悪い考えが浮かび上がった。
「そういう君こそ、サーフボードを持ってるけれど、大丈夫かい?」
サーフボード位しか持てないレベルでモンスターに攻撃を当てること自体可能なのかい――そういう意味を持たせて、彼は言った。
少年は、気付いたのか気付かなかったのか。
「なっ、僕を馬鹿にするつもりかっ――」
「スピアさん、知らない?」
不意に、女性が口を挟んだ。
「はい?」
不満そうに彼女の方を見て、少年は返した。
女性はそっと少年に耳打ちをする。その言葉を聞いた少年は、むすっとした顔で、彼に言った。
「ふーん、有名人なんだな」
耳打ちされた言葉を察して、彼は応える。
「……知名度と実力は見合ってないけどね」
「馬鹿みたいな格好して随分自信はあるみたいだから、頑張ってくれよな。何せ金がかかっているんだから」
「はいはい、出来る限りはやりますよ、とりあえず俺は最下段……でいいんすかね?」
「ええ、構いませんよ」
そう返したのは、女性であった。少年の方は何も言わない。都合よく、肯定、と受け取ったのか、目の前の電光板をちらりと見て彼は言った。
「そろそろ、始まるみたいっすよ」
彼は真剣な目つきで、でも口を綻ばせて言った。