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◆<彼>と<彼女>の物語(3/3)
ジャンル…MapleStory/無印
形式…文章(小説に非ず)
補足…めいぽ文化祭の副産物。ネタバレ含。
――<現在>に至る迄
ささやかな式の後
二人は真っ赤な夕日に照らされて
互いに心で触れ合った。
度々の彼の咳き込む様さえも
二人にはもう慣れたもので。
けれど、彼は一つ
彼女にお願いをした。
別れは決定事項で
それは彼の僅かな燈さえ危うくさせる
微弱な風。
けれど
それが愛する人の最期の願いであったなら
誰が断ることが出来るでしょうか。
彼は世界を廻って
彼の弟子達と言葉を交わした。
影など全く見せぬように
昔のように、笑いながら。
そして
はじまりの街、港町リス。
そこにも彼の弟子がいて。
いつものようにそれをねだる少年に
彼は小箱を差し出した。
彼は残された時間をオルビスで過ごし
静かに息を引き取った。
彼の亡骸は妖精達の手で
妖精達の墓場へと埋葬された。
ピリオドは、此処ではない。