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#さてこれから総合のレポートやってきまs
◆「他称」と「自称」(3/3)
ジャンル…MapleStory/無印
形式…小説
カニバでの新キャラの話。
ほぼ完全に実在キャラそのままなんてそんなそんな(※主人公一人だけの話+性格と火力は改変済。というかこんな性格露骨な奴とはむしろ俺がやりたくねーです。
「そろそろいけ……ないけど限界か」
頭にいくつもの守護の印を付けたロムバード達を見て、彼は呟く。
襲い来るロムバードの腕を避け、彼は梯子へと飛びついた。
辛うじてロムバードの攻撃の届かない高さに着いた時、彼はポケットから通信機器を取り出し、一言二言言葉を交わす。そして最後に頷いた彼は再び機器をポケットへと戻し、再び梯子を登り始めた。
中段の準安置と呼ばれる足場に辿り着いた彼は、辺りを見回した。まだ、相手にモンスターを召喚された形式は無い。
あれだけ守護物召喚を連発すれば、当然と言えば当然。
「……よし、予想通り」
彼は、左手にナックルメイスを持ち替え、空いた右手を天へと掲げた。そして、高位の魔法使いがするそれのように、天を見つめて彼は言った。
「チクタク……十六体召喚っ!」
その言葉が場に響き、そしてその声に応答するように、場――彼から見える場所にも数体、人工のチクタクモドキ――但しカーニバルに出るチクタクもどきにしては少々異質な――が現れた。
それを確認すると、手を下ろすことなくただ一言「もらった」とだけ呟いて、彼は言葉を続けた。
「回避アップ、スピードアップ……召喚っ」
その言葉と同時に、チクタク達の頭に、彼の召喚していないものも含めたいくつかの守護の証が現れる。
再び機器を取り出し、彼は言った。
「ありがとう。ポイント足りる自信が無かったから、助かったよ!」
『あぁ。でも君、本当にチクタクでいいの?』
それは、あの少年の声であった。
口元に微笑を浮かべ、彼は答えた。
「いいんだ、これで。だって俺の異名は――」
――「チクタク使いの鬼畜初心者」だから。
「お疲れ様でした」
出口で、彼のチームと相手のチーム、彼らは互いにねぎらいの言葉をかけあう。
「お疲れ様。いやーまさか負けるとは思わなかった」
相手のソードマンが笑いながら言う。
「いやーでも危なかったっすよ、こちらも。良い試合でした」
彼は笑い、そして手を差し出す。ソードマンの青年が、その手を握り返した。
「しかしチクタクで攻めてくるとは……いやはや、名前通り鬼畜ですな」
相手のチームの、氷雷ウィザードの少年が、言った。
ああ、と彼は言葉を返した。
「チクタクなのは、別に馬鹿にしていたとかそんなのじゃないっすよ」
「あら、私もてっきりそうだとばっかり」
「僕も僕も」
それは、味方チームの二人の言葉だった。
「嘘じゃないですってば」
彼の顔に浮かぶのは、苦笑い。
「チクタク、好きなんすよ」
――嘘、いや、正確にはそれは理由の三割程でしかない。
「嘘じゃないですよ」
真顔で、彼は押し切ろうとした。その甲斐あったのか否か。
「しっかしまぁ、流石に異名も家名も伊達では無いってことかな」
腕を組んで、青年が言う。
慌てた様子で、彼は返した。
「だから、家名もどっちもただの飾りですから、単なる噂の一人歩きっすよ!」
期待が重すぎて、純粋に楽しめないのは、不本意なのである。彼が求めているのは「楽しみ」であり、「名誉」や「金」など二の次なのだ。
最も、それも「家名」という物を背負っているからこそ、言える事なのかも知れないが。
「そもそもウチの家は、ただ親父もお袋もカニバ関係の仕事をやってるってだけっすから。俺なんてすっげぇ弱いっすし」
「嘘だぁー」
そう言ったのは、戦士の少年だった。
「いや、マジだって」
「でも、それをさっ引いてもテクニックは凄かったわよねぇ」
にやりと笑って、クレリックの女性が言った。
「テクニックって程でも無いっすよ。それを言うと向こうの方が凄かった」
「素直に受け取っておくよ、ありがとう」
青年はくすりと笑って、そう返した。
他称「チクタク使いの鬼畜初心者」、自称「初心者モドキの雑魚戦士」。本名……カウム・グマループン。
彼が「彼ら」と僅かでも繋がりを持つのは、もう少し後の話である――。
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どう見ても後半適当です本当にありがとうございましt
まぁキャラ紹介小説なんでよく……ないな。
ちなみにカウム君は三兄弟の長男、次男はその内出ます。三男は登場未定。というか別に特徴も無い地味なキャラなので、何か理由でもないと多分出ません。
余談ですが仲間内では「鬼畜」がホントに合い言葉になっています。ただしモデルキャラは果てしなく雑魚なので(カウム君は恐らく攻撃軍手でサンダルもちゃんと強化しているでしょうが、モデルのキャラは100ベタに等しい命中軍手のみ)、実際は鬼畜行為は野良でしか出来ません、周りが強すぎて。嘘です、身内PTの時は連係プレイで鬼畜します。後モデルキャラが時々幼稚園児みたいな発言をするので、微妙に厨臭い設定にしましたが、実際はこっち方面には酷くないです、うん……酷くない……筈……。