◆鳥篭:色々100のお題
のんびりと短文で挑戦します。
近々公開予定のシリーズ(基本的にオフの流用)の日常的な感じで。訳が分かりません。
設定やらはもう少し後(というか上記の作品内で)説明するので今は触れません(あえて言うなら多重人格ではないです、モードです。一瞬似てるように見えるかもですが全く違います)。まぁ、予告的な何かと言うことで。
ちなみに文章打ちたくなった時とか何かに書いていきます、不定期で。長さも曖昧です。
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◆001:晴れた日に
教師の言葉を聞き流しながら、ぼやっと窓の外を見る。空は何処までも青く、蒼く。
頬杖をつきながら欠伸をする私の右手がルーズリーフに織りなすのは、ただただ楕円に十字を切った変てこな形だけ。
――冬の癖に、こんなに晴れ渡って……。
私は心の中で可笑しな悪態を付きつつ、ため息を吐いた。
<白>は眠っているみたいだし、<青>も傍観を決め込んでるみたいだし、<灰>に至っては出て来れないのをいいことに私に文句を言ってばかり。
真面目に受けなさい、と諫める<灰>の言葉を無視し、私は二度目の欠伸をした。私はそんなに真面目学生な訳じゃない、と言ったところ仕方がない。<響殻種>の<白>や私を諫めるのが<灰>のお仕事なのだから。
それにしても寒い。幾ら晴天でも所詮冬、寧ろ窓際の方が寒いくらいだ。本当、エアコンでも導入して欲しい位に。
一日に溜息を数千回吐くと鬱になるらしいのだけれど、出てしまうものは仕方がない。再び欠伸をして、私はやっと黒板を見た。
「うあー、寒っ」
自転車を漕ぎながら、俺は本日何度目かの台詞を吐いた。言葉を返す者などこの周りには居ない。
空は冬なのかと疑うくらいに晴れているのに、そのくせ風が強い。何故セーラー服なんて物は冬でもスカートなのであろうか。学生服を着たい、と何度願ったかは計り知れない。
しかし何てタイミングで入れ替わってしまったのやら、と俺は溜息一つ吐いた。暖かい部屋から出た直後に<赤>と入れ替わるなんてふざけているにも程がある。だが、入れ替わりに個々の意志はあまり関係しないと言うことは響殻種である俺が一番よく知っている。そうでなければ自室があんなに汚くなるはずがない。
空の開けた場所へとさしかかり、俺は空を見つめた。夕焼けはあまりに美しく、思わず俺は携帯電話を取り出し、写真を撮った。
携帯電話のカメラで撮った写真などに実物程の美しさはない。それは重々承知しているが、だが撮らずには居られない美しさがそこにあった。
「まぁ、帰り道での交代も、たまには悪くないか」
そう呟き、俺は携帯をしまい再び漕ぎだした。